片親

昨日の寅さんに色々なコメントを頂いた。昔の頃の記憶が走馬灯のように思い浮かぶ。
中学2年のときに父を亡くし、母子家庭になった。
今では離婚やシングルマザーなど、かなり多い。片親だからと云って偏見を持たれることはない。事実、子供の学校では姓が変わった生徒や離婚して母方の実家に戻るため転校する子も多い。


30年前は片親だと、直ぐに不良扱いされたものだ。一番辛かったのは中学3年の修学旅行の費用を集めるときだった。今では銀行振り込みだが、当時は学校に現金で持参し、先生が立会い、学級委員がひとりひとりの金額を確認してまとめていた。

学級委員は男女ひとりずつ。私ともうひとりの女子生徒だ。集金用の箱を教卓に準備し、ひとりずつ名前を呼んで、現金を確認する。その時の教師の言葉、「あなたはやらなくていいから」と。まるで私がお金を盗むとでも思っていたかのようだ。

秋の遠足でも、姉と年が離れていたせいもあるのかも知れないが、アイビー・ルックでだった私に、「お前はそんな格好していると不良だぞ」とも云われた。グレたことなどないのに...


父方の親戚連中は、中学を出たら働けとうるさく云う。母はせめて高校はとやり返す。だから高校を出たら就職しようと思って工業高校に行った。
高校に入ったばかりのことだと思う。まだ店を続けていたので、ペプシコーラの配達の人に教えてもらった。大学は行ったほうがいいと。その人は早●田大学出身で大手ゼネコンの一次試験を通り、二次試験の面接。面接した人は開口一番、「あなたは片親ですね」と。それで二次試験は終わり、建築士の夢を諦めたと云う。そんな時代だった。

その人の言葉に一念発起し、大学に進学した。費用は無利子の県の母子福祉基金育英会。返済は大変だったけど、やはり進学してよかったと、つくづく思う。


しかし、あのときの教師の言葉、今でも忘れられない。


今日は手のひらの腫れが少し治まっている。本当にリウマチは予測不可能...